杜氏候補募集
対象:本社工場にて勤務が可能な20歳以上
創業1968年。
味噌蔵としてこの地、亀岡にて立ってから50年を過ぎました。
創業者・片山秋雄から親子2代で今に至りますが、まだまだ味噌蔵としての歴史は未来につなげていきたいと考えております。
単なる事業継承という意味ではなく、日本人が古くから育んできた食文化の中でも特に発酵食品は「命」を育て、守る、大事なものと考える中で、これから先、さらに50年、100年を超える未来につないでいきたいと思っています。
日本における食糧自給率は厳しいものがあります。
そしてこの傾向は、なかなかすぐに改善するものではなく、それどころかさらに深刻なものになっていくのかもしれません。
そのような側面からも味噌を作り続けることが、日本の食の未来において、必ず貢献できることがあると信じています。
片山秋雄が確立してきた伝承技法は親子で継承してきましたが、これからはさらに門戸を開き、若き杜氏を育てていくことで未来へ大切な日本の伝統食文化をつないでいきたいと思います。
「醸造は人格なり」
創業者・片山秋雄は「京都現代の名工25選」を受賞。
味噌作りにおいて、大切な素材の選定・特徴、生産者との関わりや取り組み、そして醸造にかかる技術などを後継者・宏司(現 代表取締役社長)へと継承されていきました。
その経緯においては、ただ教えられるものだけではなく、後継者自らが、先代の背中を見て学びとるなど、学校の教科書のようなものがあるわけではない中で、その「継承者としての自覚と意志」が重要になります。
もちろん、体力が必要な作業もあります。
そして、麹菌は人間と同じく、「命」を持っています。
その麹菌と向き合って至高の味噌へと仕上げていくわけですが、人間様のように「話せば言うこと聞いてくれる」というものでもありません。
しかし、一方で「美味しい味噌にする」という意志や思いは、伝わると感じることもできるでしょう。
そういう点では、他の製造業とはまた少し異なる、目に見えない領域を感じることができる場であるかもしれません。
とても奥深く魅力的な世界でもあります。
だからこそ、味噌作りはおもしろくてやめられなくなるという部分もあることは、昔ならまだしも、現代でも発酵食品の愛好家の方々が自分で味噌を作り、楽しんでおられることでおわかりになられるかもしれません。
至高の味噌を共に目指す
味噌作りは、杜氏ひとりでやるものではありません。
当蔵もそうであるように、いろんな行程に携わる仲間がいて、一緒に美味しい味噌を作るために、学び、意見も交わし、共に目指していくものです。
その中でも杜氏は味噌の可能性を最大限に上げていくためにあらゆるプロセスを経験し、知識も学び、全体をコントロールできる立場になっていきます。
どんな業界の仕事もそうであるように、1年目から1人前になることは難しく、また、それを求めるものでもありません。
ましてや、向き合う相手は話すこともできない微生物たちです。
ひとつひとつ、教えられることを丁寧に伝えていき、失敗も成功も一緒に感じながら、20代の若者であれば、30代には一人前の杜氏となって蔵人たちとともに、さらなる高みを目指してもらえるだけの知識と経験を積んでもらいたいと思っています。
そうして1人前となった若き杜氏たちも、またその技量と新しい感覚をもって、「未来の片山商店」も育んでいってもらいたいとも思っています。
未来への伝承
「温故知新」(おんこちしん)
片山商店として常に共にある考え方です。
京都と言えば、千年以上も残る文化遺産が多数ありますが、なぜ、それらが今も存在しているかということでとても得心したエピソードがあります。
「その時代の最高の技術や叡智が注がれたからこそ、今なお存在している。」
その経過にはもちろん、修復や補強などもあったでしょうが、本質的にその当時の最高の叡智が注がれたからこそ、時を超えて今も存在するのだというお話です。
これは文化遺産だけのものではなく、食文化の中にもそれがあると考えています。
古きものの中にさらなる発展のカギがあるという姿勢をこれからも大切にし、守るべきものを守り、発展させるべきものを発展させることで、さらに50年、100年とつなぐことができる味噌作りを確立していくためにも、「未来への伝承者」となってもらえる若い力を募集します。
おかげさまで、蔵人たちとともに苦労しながらも丹精込めて作りあげている味噌は、多くの方々に愛され、消費者のみならず料亭様や百貨店様を含む小売店様にも喜んでいただいています。
味噌はもとより、「醸造」「発酵」「麹菌」「杜氏」「伝統」「食文化」・・・そんなことに興味がある若者たちと、是非、まずは一度ゆっくりお話をしてみたいと考えていますので、以下のお問い合わせフォーム、またはメール、お電話にてご連絡ください。
有限会社 片山商店
代表取締役 片山宏司